自律神経の働きと食事
自律神経は、自分の意思とは無関係に働き、呼吸や消化、体温調節などを自動的に行っています。
意識的に胃液を出したり、心臓を早く動かしたりできないのはこの為です。また、ホルモン分泌量や免疫機能など、体の調節機能を管理しています。
- 自律神経には
交感神経(活動する為の神経)と副交感神経(休む為の神経)があり、状況に応じて切り替わるようになっています。
スイッチが切り替わるようにどちらかが働いていて、どちらかが休んでいるイメージです。
- 交感神経は手足の筋肉などに血液を多く流し、力の入りやすい環境を作ります。そして心拍数や血圧を上げ、体を緊張状態にします。戦闘準備(活動体制)ですね。
- 副交感神経は皮膚や内臓に血液を多く流し、筋肉を休める環境を作ります。唾液分泌を刺激し、消化器官の働きを活発にします。心拍数や血圧も下がり体を休ませます。
通常は食事をすると、内臓の働きを活発にしようと、副交感神経が自動的に働きます。食事をすると「ほっとする」「眠くなる」のもこの為です。
食事をする=体を休める という図式が同じ神経の関与からおこります。
リラックスしながら食事をするほうが効率も良く、体にとって正しい状態といえます。
では、こんな場合はどうでしょうか?
おにぎり片手に仕事や家事をしながら食事
時間に追われて焦って食事
イライラしながらのヤケ食い
頭や手足が活発に動いている状態で食事をするとどうなるでしょう。
手足の血流量が増え、頭も興奮(緊張)状態になっているので交感神経が働きます。
食事を取っていれば、消化器官に食べ物が入ってきますから副交感神経が働きます。
さて、自分の体は 交感神経・副交感神経 どちらを優先すべきか、わからなくなってしまいます。
このスイッチの切り替えができなくなると「自律神経失調症」なんて言われます。
「食事はゆっくりとよく噛んで」
昔から言われることですが、本当に大事なことなのです。
自律神経を労わり、体を労わるということにつながるのですから
なんとなく体調が悪い・疲れが抜けない・気分が落ち着かない
不定愁訴ともいわれる「なんとなく」な不調はこういったところにも影響がありそうですね。
フレッチャーの噛む健康法
今から100年位前のアメリカで、良く噛んで30キロも減量に成功したという「フレッチャーの噛む健康法」が日本にも伝わっています。
陽気で働き者のフレッチャーさんは、商売が成功して有名な実業家になりました。
お金持ちになったフレッチャーさんは、朝・昼・晩フルコース、デザートたっぷりの食生活をして、良く噛まずにおいしいものばかり食べていました。
ところがある日、鏡に映った自分の顔は、青白く、ブヨブヨ太った、いかにも不健康な人に変身しているのに気がつきました。食欲もない、体もだるい、気分も悪い、働くことさえおっくうになっていいことがありませんでした。
そんな時、一軒の家族の食事風景に出会いました。質素な食卓でしたが、家族4人は、実に楽しげに一品ごとしっかり噛んで味わって食事をしていました。
噛んで味わう幸せを教えてもらったフレッチャーさんは、その後よく噛んで食べることを心掛けて、すっかりスリムな元の体と元気をとりもどしたそうです。
フレッチャーの噛む健康法の内容は、
「本当におなかがすいた時に食事をとり、なんでも良く噛み、口の中でとろとろになり自然に飲み込まれるようになるまで噛む」
というものです。
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